気象予報士試験の勉強は何から始める?独学合格までのロードマップ|気象予報試験#1

高校時代、NHKラジオの気象通報を聞きながら、天気図を書いていました。
台風情報から、進路や強さを考えるのも好きでした。

それでも、最初に受けた気象予報士試験は、学科一般だけ合格。
気象が好きなことと、試験で答えられることは別でした。

では、何から勉強すればよいのか。
私が勧めるのは、
全体像を知る → 一つの分野を学んで過去問に触れる → 使える時間から計画を立てる
という流れです。

私は長い中断を経て46歳頃に再挑戦し、独学で3年間かけて合格しました。
この記事では、その経験から勉強の順番・学科と実技の取り組み方・時間の確保を紹介します。

「興味はあるけれど難しそう」で止まっている方が、最初に学ぶ内容と、取り組む時間を決めるためのロードマップです。

目次

まずは、学科一般・学科専門・実技の違いを知る

最初に、3つの区分で何を学ぶかを確認しましょう。
学ぶ内容だけでなく、必要な練習にも違いがあります。

区分主に学ぶ内容学習のポイント
学科一般大気の仕組み、気象現象、法規など仕組みの理解、計算、知識の整理
学科専門観測、数値予報、気象災害など観測・予報に関する知識の理解
実技気象の状況や変化の把握、予想など資料を読み、設問に沿って答える練習

学科は多肢選択式、実技は記述式です。
実技といっても、屋外で観測するのではなく、筆記試験です。

詳しい範囲は、気象業務支援センターの試験概要で確認できます。

教材の目次と過去問を見比べ、「何を学び、どう問われるのか」をつかむ。
最初はそこまでで十分です。
まだ学んでいない問題が解けなくても、それだけで向いていないと決める必要はありません。

勉強の順番は、私の場合「専門 → 一般 → 実技」

私は、得意だった専門から始めました。
その後に一般、そして実技です。

一度に全部を勉強するのは、時間的に厳しい。
そこで、まず学科に取り組み、自分なりに目処が立ってから実技を始めました。
振り返っても、私にはこの順番が合っていました。

ただし、全員に専門からを勧めるわけではありません。

迷ったら、一般・専門それぞれの教材を少し読み、関連する問題を見てみてください。
内容を理解しやすいほうから始める、という選び方もあります。

専門を学んでいて基礎がわからなくなれば、一般に戻って確認する。
決めるのは勉強の入口であって、後戻りできない順路ではありません。

実技の本格的な対策を後にする場合も、問題には早めに一度目を通しておくことを勧めます。
まずは、学科の先に何を求められるのかを知っておきましょう。

独学では、教材と過去問を行き来する

テキストを読み終える前に、過去問にも触れる

再挑戦後は、過去問を中心に勉強しました。
入り口には書籍を使い、Web上の解説も読み込みました。

これから始める人には、次の進め方を提案します。

1. 教材で一つの分野を読む。
2. 関連する過去問を解く。
3. わからなかった内容を、教材や解説で確認する。
4. もう一度解き、答えの理由を考える。

読んでいるときにはわかったつもりでも、問題になると迷う。
その迷ったところが、次に確かめる内容です。

一冊を完璧に理解してから、過去問へ進む必要はありません。

読んで、解いて、調べ直す。
その往復で理解を深めていけばよいと思います。

正解の番号より、「なぜそうなる?」を知る

高校時代に気になっていた台風の進路や強さも、気象を学ぶ対象の一つです。
身近な関心と、試験の勉強はつながっています。

毎日の天気の素朴な疑問を、科学的に理解する。
それは単純に楽しいことでした。

正解の番号だけを覚えてしまうと、その面白さが抜け落ちます。
解説を読んだら、「なぜそうなるのか」まで考えてみてください。

もちろん、暗記も必要です。
私も覚える事項は、通勤中にスマホで繰り返し確認しました。

仕組みは理解し、覚えるべきことは反復する。

勉強のための勉強にせず、天気そのものへの興味を持って取り組むことを大切にしていました。

関連記事
再挑戦の経緯や、独学を続ける支えになったことは、note「気象予報士を目指そう」にまとめています。

実技は、理解したことを時間内に答える練習が必要

実技で苦労したのは、短時間で題意をつかみ、求められた答えを正しく書くことでした。

資料を読み、設問に照らして考え、答案にまとめる。
知識があっても、この作業を時間内にこなすには慣れが必要でした。

私は過去問を繰り返し解くことで、読み取りと解答に慣れていきました。

解説を読んで納得することと、自分で正しく答えを書くことは別です。

実技では、実際に手を動かす演習を重ねることが欠かせませんでした。

試験日から逆算して、勉強時間を確保する

平日にできなかった分は、休日で調整した

私の学習時間は、おおよそ次のとおりです。

学習段階平日休日
学科中心の時期通勤中に1時間程度2時間程度
実技対策の時期2時間程度を目標4時間程度

※私自身の学習例であり、合格に必要な標準時間ではありません。

実技で難しかったのは、問題だけではありません。
勉強時間をつくることも難しかった。

平日にまとまった2時間を取れない日もあり、その分は休日に回しました。

「毎日2時間」と書けば計画はできます。
でも、書くだけでは時間は空きません。
毎日同じように進めることにこだわらず、週の中で調整する。
私には、その余地が必要でした。

まずは自分が使える時間を書き出し、通勤中にできる学習と、まとまった時間が必要な演習を分けて考えてみてください。

試験日までに、過去問15回分をやり切る目標を立てた

私は試験日から逆算し、過去問15回分をしっかりやり切ることを目指しました。

一方で、実技に慣れるためには、過去問を繰り返し解くことも必要でした。
計画には、新しい問題を解く時間だけでなく、復習や解き直しの時間も含めておきたいところです。

15回分は、合格に必要な決まった量ではありません。
私が設定した目標です。

読者の方は、次の順で自分の計画を整理してみてください。

1. 試験日までの残り期間を確認する。
2. 平日・休日に使える時間を確認する。
3. 問題演習・復習・解き直しを、週ごとに割り振る。
4. 進み具合を見て、配分を調整する。

学科免除の期限も、受験計画に入れる

学科の合格科目は、申請により、合格発表日から1年以内に行われる試験で免除されます。

私は受験の見送りと実技不合格を経て免除が切れ、一般・専門から受け直しました。

学科の合格後、いつ実技を受けるか。
そのための演習時間をどうつくるかまで考えておきたいところです。
免除の条件や手続きは、公式の試験案内で確認してください。

今日の一歩は、気になる分野を一つ読むこと

気象予報士試験の勉強は、全体像を知り、取り組みやすいところから始めてみましょう。

このシリーズでは、次の内容を詳しく紹介していきます。

✅ 計画を立てたい方へ:勉強時間と、試験日からの逆算方法
✅ 教材に迷う方へ:テキスト・過去問・講座の選び方
✅ 科目別に進めたい方へ:学科一般・学科専門・実技の勉強法

私の出発点は、ラジオを聞いて天気図を書くのが好きだったことでした。
約20年後の再挑戦にも、特別なきっかけはありません。
やり残していたことを思い出したのです。

最初から、大きな決意がなくても構いません。

まずは教材の目次から、気になる分野を一つ読む。関連する過去問を見て、わからなかったところを調べる時間を予定に入れる。

「気象が好き」を、そんな小さな勉強の予定に変えるところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

農学博士(論文博士)、気象予報士。

修士課程修了後、研究職への就職に失敗。
研究補助の派遣社員として研究の世界へ戻り、
異分野の企業研究所へ転職。

約6年かけて論文博士を取得。
学位取得後も研究を継続し、実績は以下。

 ✅ 原著論文15報(筆頭著者10報)
 ✅ 学術著書9報(筆頭著者8報)
 ✅ 国内外で計6件の受賞歴あり
 ✅ 国内外学会発表合計34
 ✅ 特許出願合計22件

現在は研究開発から少し離れた部署でマネジメントに従事

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