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【社会人博士】論文がRejectされたらどうする?落ち込んだ後に再投稿へ進む考え方| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#21

英語論文を投稿して、一番見たくない通知。

それが 「Reject」 です。

投稿システムを開いた瞬間、画面に出ている文字を見て、しばらく固まりました。

Major Revisionなら、まだ戦えます。
Minor Revisionなら、安心できます。

でも、Rejectは違います。

そのジャーナルでは受け入れられなかった。
そう突きつけられたように感じます。

私も、英語論文でRejectを受けたことがあります。
しかも、理由が明確とは言えず、納得できる内容でもありませんでした。

「この研究はダメだったのか」
「論文として価値がなかったのか」
「ここまでやってきた時間は何だったのか」

そんなことを考えました。

その日は、無理に論文を読み直しませんでした。
Reviewerコメントを冷静に分析する気にもなれませんでした。

友人と飲みに行きました。

Rejectは、辛いです。
長い時間をかけて研究し、論文にまとめたことを全否定された気持ちになります。

この記事では、

英語論文がRejectされた後に何をすべきか
Reviewerコメントに納得できないときどう考えるか
別ジャーナルへ再投稿してよいのか

を、社会人博士・企業研究者の視点から整理します。

この記事を読むことで、
Reject後に落ち込みすぎず、論文を終わらせず、次の投稿へ進むための考え方
が分かります。

目次

論文がRejectされた後にまずやること

論文がRejectされた直後にまずやることは、無理に前向きになることではありません。

まず、落ち込んでよいです。
なぜなら、論文は簡単に書けるものではないからです。
実験をして、データを整理し、図表を作り、統計を確認し、Resultsを書き、Discussionで悩み、Introductionを組み立て、AbstractとTitleを考える。

そのうえで、投稿規定を確認し、Cover Letterを書き、共著者に確認して、ようやく投稿します。

社会人博士や企業研究者であれば、本業の合間にこれを進めます。
平日の夜、休日、移動時間、少し空いた時間。
そういう時間を積み上げて、ようやく論文になります。

だからRejectされると、単なる不採択では済みません。

自分の努力まで否定されたように感じます。

でも、Reject直後に「これは成長の機会だ」と思えなくても問題ありません。
普通は落ち込みます。
腹も立ちます。
Reviewerコメントに納得できなければ、なおさらです。

まずは、辛いと感じる自分を否定しないことです。

Rejectと論文の価値は同じではない

ここは、この記事で一番伝えたいことです。

Rejectされたことと、研究や論文の価値が低いことは同じではありません。

論文の採否は、研究の価値だけで決まるわけではないからです。

Journal scopeに合っているか。
Editorがどう判断するか。
Reviewerがどの観点を重視するか。
そのジャーナルの読者に合うか。
新規性や意義が伝わっているか。

こうした要素が絡みます。

もちろん、自分の論文に改善点がある場合もあります。
そこから目をそらしてはいけません。
ただし、Rejectされたからといって、研究そのものに価値がないと決めつける必要はありません。

私が経験したRejectも、理由は明確ではなく、納得できる内容ではありませんでした。
それでも、その論文は修正して別ジャーナルへ再投稿し、最終的に採択されました。

採択されたとき、少し救われた気持ちになりました。

「あのRejectは、この論文の価値そのものを否定したわけではなかった」

そう思えたからです。

Rejectは、「そのジャーナルでは通らなかった」という結果です。
「その論文には価値がない」という判定ではありません。

Reviewerコメントに納得できないときの読み方

Reviewerコメントに納得できないことはあります。

正直に言えば、「本当に読んだのか」と思うこともあります。
論文の主旨とずれた指摘に見えることもあります。
理由が曖昧で、何を直せばよいのか分からないこともあります。

その状態で、すぐに冷静に分類するのは難しいです。

だから、2〜3日、場合によっては1週間ほど時間を置いてよいと思います。

私も、Rejectされた日は友人と飲みに行きました。
そして、1週間ほど経ってから気持ちを切り替え、Reviewerコメントを読み直しました。

時間を置いたからといって、すべてに納得できたわけではありません。

でも、「これは使える指摘だな」「これは気にしすぎなくてよいな」と、少し分けて考えられるようになりました。

コメントを読むときは、納得できるかどうかだけで判断しない方がよいです。
論文改善に使えるかどうかで見ます。

たとえば、次のような指摘は使える可能性があります。

論理の流れが分かりにくい
✅ Introductionの背景説明が足りない
✅ Discussionの主張が強すぎる
✅ 図表の説明が不十分
✅ 統計処理や結果の示し方が分かりにくい
✅ Journal scopeとのズレがある

一方で、Reviewerの専門や考え方に強く依存しているコメントもあります。
追加実験の要求が過大で、現実的ではない場合もあります。

納得できないコメントでも、一度は見直す材料にする。
でも、論文の価値をReviewerにすべて預けない。

この距離感が大切です。

※関連記事
Discussionの主張が強すぎると感じた場合は、
【社会人博士】論文のDiscussionの書き方|推論しすぎずResultsから考察を組み立てる方法| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#16

ResultsとDiscussionの切り分けを見直す場合は、
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【社会人博士】論文のFigure作成で統計を避けてはいけない理由|見た目より「何が言えるか」で決まる| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#14

Reject後にやってはいけないこと

Reject直後は、判断を急がない方がよいです。
感情が強い状態では、論文もReviewerコメントも冷静に読めません。

特にやってはいけないのは、次の4つです。

① 自分の研究には価値がないと思い込むことです。
これは一番危険です。Rejectは痛いですが、研究の価値を最終判定するものではありません。

② Reviewerを感情的に全否定することです。
納得できないコメントはあります。
しかし、腹が立つコメントの中にも、論文を改善するヒントが混じっていることがあります。

③ コメントを読まずに同じ内容で再投稿することです。
早く次に出したい気持ちは分かります。
でも、同じ弱点を抱えたまま再投稿すると、また同じような指摘を受ける可能性があります。

④ 論文を放置することです。
Rejectが辛いからといって、その論文を眠らせてしまうのはもったいないです。
一度投稿できる形まで仕上げた論文には、すでに大きな価値があります。

Reject直後に必要なのは、根性ではありません。
判断を急がないことです。

Reject後に別ジャーナルへ再投稿してよいのか

Rejectされた論文を、修正して別ジャーナルへ再投稿することは普通の対応です。
Rejectは、論文投稿の終了ではありません。
そのジャーナルで採択されなかった、という結果です。

特に、Reject理由が明確ではない場合や、Reviewerコメントに納得できない場合、別のジャーナルで評価される可能性は十分あります。

実際、私の論文も、Reject後に別ジャーナルへ再投稿し、最終的に採択されました。

もちろん、何も直さずに出すという意味ではありません。

Reviewerコメントを読み、使える指摘は反映します。
必要に応じて、Title、Abstract、Introduction、Discussionを見直します。
投稿先が変わるので、Journal scopeや読者層に合わせた調整も必要です。

つまり、Reject後に必要なのは、単なる再投稿ではなく、再投稿戦略です。

論文を届ける相手を選び直す。
そう考えると、別ジャーナルへの再投稿は逃げではありません。

※関連記事
論文全体の組み立てを見直す場合は、
 【社会人博士・企業研究者向け】投稿論文は何から書く?論文執筆の全体像を解説| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#12

Reject後の対応チェックリスト

Reject後は、次の順番で進めるとよいです。

✅ まず落ち込む
2〜3日、場合によっては1週間ほど時間を置く
Reviewerコメントを読み直す
使える指摘と気にしすぎない指摘を分ける
必要な部分だけ修正する
Journal scopeを確認し、別ジャーナルを選び直す
Title、Abstract、Introduction、Discussionを投稿先に合わせて見直す
Cover Letter、投稿規定、Reference、共著者確認を再チェックする
再投稿する

Reject対応は、気合いで乗り切るものではありません。
感情整理、コメント確認、修正、投稿先選定、再投稿に分けることで、次に進みやすくなります。

※関連記事
再投稿前には、
【社会人博士】英語論文の投稿前チェックリスト|初投稿で見落としやすい確認項目| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#19

Major RevisionとRejectは心理的ダメージが違う

Major RevisionとRejectは、どちらもReviewerコメントへの対応が必要です。
しかし、心理的な意味は大きく違います。

Major Revisionは、厳しい指摘があっても、そのジャーナル内で採択に近づいている状態です。
一方、Rejectは一度そこで終了します。

だから、Rejectの方が辛く感じるのは当然です。

Major Revisionでは、同じジャーナルの中で論文を強くしていきます。
Rejectでは、論文を修正するだけでなく、投稿先そのものを選び直す必要があります。

※関連記事
Major Revisionへの対応については、
【社会人博士/論文博士】査読コメントへの回答方法|Major Revisionで論文が強くなる理由| 社会人博士(論文博士)ロードマップ#20

まとめ:Rejectと論文の価値は別物である

論文がRejectされると、かなり落ち込みます。
特に、理由が明確でなかったり、Reviewerコメントに納得できなかったりすると、自分の研究そのものを否定されたように感じます。

でも、Rejectと論文の価値は別物です。
あるジャーナルでRejectされた論文が、別のジャーナルで採択されることはあります。
私自身もそうでした。

だから、Reject直後に無理に前向きになる必要はありません。
一度落ち込んでもよい。
友人と飲みに行ってもよい。
2〜3日忘れてもよい。

大事なのは、そこで論文を終わらせないことです。

時間を置いて、Reviewerコメントを読み直す。
使える指摘だけ拾う。
必要な部分を修正する。
別ジャーナルを選び直す。
そして、再投稿する。

Rejectは辛いです。
でも、論文の終わりではありません。

Rejectされた論文にも、まだ価値は残っています。
その価値を、次の投稿先に届け直せばよいのです。

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この記事を書いた人

農学博士(論文博士)、気象予報士。

修士課程修了後、研究職への就職に失敗。
研究補助の派遣社員として研究の世界へ戻り、
異分野の企業研究所へ転職。

約6年かけて論文博士を取得。
学位取得後も研究を継続し、実績は以下。

 ✅ 原著論文15報(筆頭著者10報)
 ✅ 学術著書9報(筆頭著者8報)
 ✅ 国内外で計6件の受賞歴あり
 ✅ 国内外学会発表合計34
 ✅ 特許出願合計22件

現在は研究開発から少し離れた部署でマネジメントに従事

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