論文投稿後、届いたメールを開く。
そこに書かれていたのは、Rejectの文字でした。
私も経験があります。
しかも、Reviewerによる査読を受けた後のRejectです。
Reviewerからは追加実験を求められていました。しかし、当時の私は、
「本当に、この追加実験が必要なのか?」
「Rejectにするほどの問題なのか?」
と、どうしても納得できませんでした。
その日は論文を読み返しませんでした。
友人と飲みに行き、いったん論文から離れました。
そして約1週間後。気持ちが落ち着いたところで、改めてReviewerコメントを読み直しました。
それでも私の判断は変わりませんでした。
要求された追加実験は、この論文の結論を示すために必須ではない。
そう判断し、追加実験は行わず、原稿を軽微に修正しました。
その後、研究内容によりScopeが合う同程度のJournalを選び、約1か月後に再投稿。
その論文は、最終的にAcceptされました。
論文がRejectされたときに大切なのは、Reviewerコメントにすべて従うことでも、反対にすべて否定することでもありません。
いったん時間を置き、自分の研究とデータに戻って、何を直すべきかを判断すること。
この記事では、私自身の経験をもとに、
✅ Rejectされた直後にどうすればよいか
✅ Reviewerコメントをどう読むか
✅ どこまで修正すればよいか
✅ 再投稿先をどう考えるか
を順番に解説します。
論文がRejectされた後の5ステップ
最初に、Rejectから再投稿までの流れを整理します。
STEP1 その日は無理に判断しない
↓
STEP2 数日後にReject理由とReviewerコメントを読み直す
↓
STEP3 コメントを「直す・検討する・直さない」に分ける
↓
STEP4 必要な部分だけ原稿を修正する
↓
STEP5 Scopeの合うJournalを選んで再投稿する
私は実際に、この流れでRejectされた論文を再投稿しました。
論文がRejectされて落ち込むのは普通
Rejectされれば、落ち込みます。
時間をかけて実験し、データをまとめ、Figureを作り、英文を書き、共著者と何度も修正した論文です。
それが、
Reject
という結果で返ってくる。
簡単に気持ちを切り替えられるものではありません。
私もReject通知を見たとき、
「この理由でRejectなのか」
と納得できませんでした。
だから、その日は論文を読み返しませんでした。
無理に前向きになることもしませんでした。
友人と飲みに行き、いったん論文から離れました。
今振り返っても、それでよかったと思っています。
Reject直後は、Reviewerコメントを冷静に読めないことがあります。
そんな状態で、
「自分の研究には価値がない」
「全部やり直さなければならない」
と結論を出す必要はありません。
まず少し離れる。
そして、落ち着いてからもう一度論文を見る。
私はそれで十分だと思います。
1週間後にReviewerコメントを読み直した
私がReviewerコメントを読み直したのは、Rejectから約1週間後でした。
最初に読んだときは、追加実験を求められたことに強く反応していました。
しかし、時間を置いてから読むと、
「腹が立つかどうか」ではなく、「この指摘は科学的に妥当か」
を考えられるようになります。
私の場合、Rejectの大きな理由の一つは追加実験でした。
そこで改めて、
を考えました。
その結果、
追加実験をしなくても、現在のデータで論文の結論は支えられる
と判断しました。
そのため、要求された追加実験は行いませんでした。
Reviewerコメントはすべて受け入れる必要はない
Rejectされると、
「Reviewerが言っているのだから、全部直さなければ」
と思うかもしれません。
私はそうは考えていません。
もちろん、Reviewerコメントを最初から無視するのはよくありません。
しかし、一度検討したうえで、
この指摘を採用するかどうかを判断するのは著者です。
私はReviewerコメントを、次のように考えています。
| Reviewerコメント | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 明らかに論文を改善する | 直す | 原稿へ反映する |
| 一理あるが必須ではない | 検討する | 改善効果を考える |
| 論文の結論に必要ない | 直さない場合もある | 理由を再確認する |
| Reviewerが誤解している | 説明を見直す | IntroductionやDiscussionを確認する |
ここで重要なのは、
「修正しない」=「Reviewerコメントから何も学ばない」ではない
ことです。
たとえば追加実験そのものは不要でも、
「なぜReviewerは追加実験が必要だと思ったのか?」
は考えるべきです。
もしかすると、
✅ 説明が足りなかった
✅ Discussionが弱かった
✅ Figureから意図が伝わりにくかった
という可能性があります。
追加実験をしなくても、文章や構成を改善する余地はあります。
Reject後、私は追加実験をせず軽微な修正にとどめた
私の場合、Reviewerから追加実験を求められましたが、実施しませんでした。
Reject後に論文を全面的に書き直したわけでもありません。
改めてReviewerコメントと自分のデータを確認した結果、
研究の中心となるデータや結論を変える必要はない
と判断したからです。
そこで行ったのは、必要な部分の軽微な修正でした。
Rejectされると、
と思いがちです。
しかし、Rejectされたという事実だけで修正量を決める必要はありません。
大切なのは、
です。
場合によっては追加実験が必要でしょう。
Discussionの大幅な見直しが必要なこともあります。
Figureを作り直した方がよいこともあります。
逆に、私のように軽微な修正でよい場合もあります。
Rejectだから大きく直すのではなく、必要だから直す。
この順番を間違えないことが重要です。
再投稿先は「Journalの格を下げる」だけで決めない
Rejectされると、
と考えたくなるかもしれません。
しかし、私は単純にJournalのレベルを下げたわけではありません。
選んだのは、
でした。
論文とJournalには相性があります。
Rejectされたからといって、
研究そのものの価値が否定されたとは限りません。
JournalのScopeや読者層との相性もあります。
再投稿先を考えるとき、私は少なくとも次の点を確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| Scope | 自分の研究が対象分野に入っているか |
| 掲載論文 | 類似テーマの論文が掲載されているか |
| 読者層 | 自分の研究を読んでほしい研究者がいるか |
| Journalレベル | Rejectだけを理由に必要以上に下げていないか |
Rejectされたからといって、すぐに投稿先のレベルを大きく下げる必要はありません。
まず、
を考えます。
私はRejectから約1か月後に再投稿した
私の場合、Rejectから次のJournalへの再投稿までは約1か月でした。
流れを整理すると、次のようになります。
査読後Reject
↓
その日は何もしない
↓
約1週間後にReviewerコメントを再確認
↓
追加実験は不要と判断
↓
必要な部分だけ軽微に修正
↓
よりScopeの合うJournalを選ぶ
↓
約1か月後に再投稿
↓
最終的にAccept
もちろん、
という意味ではありません。
追加実験が必要なら、もっと時間がかかります。
修正が少なければ、もっと早く再投稿できるかもしれません。
重要なのは期間ではなく、
です。
Reject後にやってはいけない5つ
1.「自分の研究には価値がない」と決めつける
Rejectされたことと、研究そのものに価値がないことは同じではありません。
まずReject理由を確認します。
2.Reviewerを感情的に全否定する
納得できないコメントがあっても、一度は内容を検討します。
その指摘自体を採用しなくても、論文の説明不足に気づくことがあります。
3.Reviewerコメントを読まずにそのまま再投稿する
Journalを変えるだけでは、次のReviewerから同じことを指摘される可能性があります。
少なくとも一度は、Reject理由とReviewerコメントを読み直した方がよいです。
4.Reviewerの要求をすべて受け入れる
逆に、全部従えばよいわけでもありません。
追加実験や大幅修正が、
本当に論文の結論に必要なのか
を考えます。
自分の研究とデータに戻って判断します。
5.そのまま論文を放置する
これが一番もったいないと思います。
実験を行い、データをまとめ、論文という形まで持ってきたのです。
RejectされたJournalで終わらせず、必要な修正をして次へ進みます。
Major RevisionとRejectは違う
Major RevisionとRejectは、どちらもReviewerから厳しいコメントが届く可能性がありますが、意味は違います。
Major Revisionでは、修正後に同じJournalで再査読へ進む可能性があります。
一方、Rejectでは、その投稿はいったん終了します。
そのためRejectでは、
この論文を次にどうするか
を改めて判断する必要があります。
Major RevisionでReviewerコメントにどう対応するかについては、別記事で詳しく解説しています。

また、別Journalへ再投稿する前には、投稿規定、共著者確認、TitleやAbstractなども改めて確認します。

論文のRejectについてよくある質問
論文をRejectされて落ち込むのは普通ですか?
私は落ち込みました。
時間をかけて作った論文なので、Rejectを見てすぐに気持ちを切り替えるのは簡単ではありません。
無理にその日のうちに対応せず、少し時間を置いてから論文を見直してもよいと思います。
Reviewerコメントは全部修正する必要がありますか?
私は、すべてを機械的に受け入れる必要はないと考えています。
ただし、最初から無視するのではなく、一度は指摘の妥当性を検討します。
そのうえで、
直す・検討する・直さない
を判断します。
Rejectされたら追加実験は必要ですか?
Rejectされたという理由だけで、追加実験が必要になるわけではありません。
私の場合はReviewerから追加実験を求められましたが、現在のデータで論文の結論を支えられると判断し、追加実験は行いませんでした。
Reject理由と論文内容を見て判断する必要があります。
RejectされたらJournalのレベルを下げるべきですか?
必ずしもそうではありません。
私の場合は、最初のJournalと同程度で、より研究内容とScopeが合うJournalへ再投稿しました。
まず考えたいのは、
「次にどこなら、この研究を適切に評価してもらえるか」
です。
まとめ|Rejectで論文を終わらせない
論文がRejectされれば、落ち込みます。
私も査読後にRejectされ、Reviewerから求められた追加実験にも納得できませんでした。
その日は論文を読み返さず、友人と飲みに行きました。
しかし約1週間後、改めてReviewerコメントと自分のデータを確認しました。
その結果、
追加実験は必要ない
と判断しました。
原稿を軽微に修正し、よりScopeの合う同程度のJournalへ約1か月後に再投稿。
その論文は、最終的にAcceptされました。
Rejectされたときに必要なのは、
Reviewerコメントをすべて受け入れることでも、
感情的にすべて否定することでもありません。
いったん冷静になり、自分の研究とデータに戻って判断すること。
Rejectはつらい経験です。
しかし、
RejectされたJournalで、その論文まで終わらせる必要はありません。
必要な修正をして、次のJournalへ進めばいい。
私はそう考えています。
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